昔の研究


VI-Ts

背景: MODISなどで、VI-Tsのプロダクトを定期的に出して行かないか?という話。

目標: VI-Ts散布図の傾きに加え、分散楕円の面積を情報として活用するアルゴリズムを組む。そして、AVHRRもしくはMODISデータに基づいて検証。その後、定期的なプロダクトとして発行する。


Lubrecht

背景: 本多先生のヘリコプター観測に合わせて行った、ロッジポール松林における地上観測。このあたりの針葉樹林は立木密度が低く、下草の反射の影響を受けやすいことが知られている。針葉樹の葉は下草の葉に較べて近赤外反射があまり高くないので、針葉樹のLAIが低い(立木密度が低い)キャノピーではNDVIがばらつく。この現象に対して、ネマニ先生は水分に感度がある中間赤外バンドで補正を掛けるという解決策を提案しているのだが、中間赤外バンドの無いセンサー(AVHRRやHRVなど)では使えない。
 ところが、斜め方向から観測すれば下草は相対的に見えにくくなるし、太陽高度が低いと下草は陰に入るので、そういうときのリモセンは上層のキャノピーを中心に観測することになる。つまり、太陽もセンサーも斜めの時は、下草の影響を小さくできる。その効果を使えば、AVHRRなどでも結構良い観測ができるのではないか?それを検証したい。

目標: こういうまばらな針葉樹林のBRDFをモデル化する必要があるのだが、とりあえず多重散乱は考えないシンプルなモデルで話に道筋をつけたい。そのモデルを、ヘリ観測によるBRDFデータで裏付けたい。その後、AVHRRやMISR、MODIS、TMなどで、広域について検証したい。中間赤外補正されたNDVIと、方向性NDVIとの対応が見たい。

現状: とりあえず現地でデータは取った。その整理中。本多グループとアリゾナグループが観測ツアーから帰ってから、本格的に始動か?


PGLIERC: 草地の季節変化と植生指標

背景: 草地のフェノロジーを、衛星で観測可能な分光植生指標と、LAIや植被率などの植生パラメータの実測値の対応に基づいて議論した例は実は乏しいらしい。

目標: 上記の議論を、TERC草地での実測データに基づいて行う。BRDFの影響をあるていどきっちりと議論する。

現状: 主なデータの解析は終わりつつある。論文執筆中。BRDF効果を見積もる際に、入射光の直達・散乱比を、現実的にはどのていどまで想定すれば良いのかという部分で悩み中。 


PGLIERC: BRDFと地表面パラメータ

背景: BRDFは植生キャノピーの構造を反映するのだから、粗度とかコンダクタンスとかとリンクできるはずだ、という、なかば牽強付会的発想。

現状: TERC草地の結果から、ホットスポットの深さがコンダクタンスに相関していそうなデータが得られた。ただ、これは入射光の散乱光成分による擾乱による、偶然の産物の可能性が拭えない。ホットスポット観測手法の不備も指摘された(センサーの陰の影響)。しかしその一方、太陽高度が低いときのアルベド(SALSと命名)とコンダクタンスがかなり見事に対応した。


GAME-T

背景: 森林・畑・裸地などが混合している地表面のエネルギー交換過程には未解明な部分が多いが、その基礎となるのは、広域で混合地表面の構造を明らかにすることである。ここでは、GAME-Tの一環として、タイ・チャオプラヤ川流域を対象地として、タワー観測・気球観測・衛星リモートセンシングを組み合わせて、地表面の季節変化をとりこんだ形でのミクセル問題に取り組んでいる。モンスーンのメカニズムの解明がGAMEの大目的だが、とりあえずここではタイの地表面状態の季節変動を、フラックスとリモセンで追跡する。EGATタワーサイトが本命だが、コグマ・熱帯季節林サイトの季節変動も追跡。

現状: EGATでは衛星データがだいぶ揃った。土地被覆分類も一応できた。フラックスデータは戸田君が1年以上観測した。LAIの絶対値把握のため、タワーの周囲の落葉林にリタートラップを設置した(川崎君)。一方、GAME-T衛星データアーカイブリストを作成・運営中。

予定: 11月頃に現地調査。

現在の問題: LAIの正確な測定手法。


火砕流・土石流のSAR観測

背景: 大規模な土砂移動を伴うのに悪天や危険の為に実地調査がなされにくい日本・インドネシア・フィリピン等の火山(具体的には雲仙普賢岳やメラピ山、ピナツボ山)において、天候に左右されない観測手法である合成開口レーダーを用いる方法を検討。砂防地すべりセンターより補助金を頂き、筑波大環境科学研究科の照沼君がコヒーレンスの有用性を示した。

現状: 雲仙普賢岳を検証サイトとして、JERS1とERS1のそれぞれのSARについて、後方散乱係数とコヒーレンス、そしてインターフェロメトリ-を検討した。その結果、JERS1(Lバンド)のコヒーレンスで、火砕流・ラハールの流下範囲をクリアに抽出できることがわかった(照沼君の修論)。

→ AGU 2001 Spring Meeting (in Boston): Poster presentation


沿岸マングローブ林の成長モニタリングとリモートセンシング

背景: 熱帯地方沿岸のマングローブ林の維持・造林は、生態学的にも地域社会の産業・経済においても重要であるが、沿岸感潮帯は無数の入江が分布する複雑な地形をしており、そこでの成長モニタリングは困難なことが多い。ここでは、ミャンマーやベトナムのマングローブ造林地において、現地当局やNGO(マングローブ植林行動計画)と協力しながら、係留気球観測と衛星リモートセンシングを組み合わせて、マングローブ林の成立条件等を検討。筑波大環境科学研究科の関戸君がメインで研究を行っている。

現状: 1999年末に、ミャンマーにてマングローブ造林地の気球写真を撮影してきた。2000年にはエクアドルにて気球・カイト観測を行った。Landsat-MSS/TM/ETM+およびJERS1-SAR画像を対比させ、様々なスケールでマングローブ林の現状を考察した。


新型衛星センサー(MODIS・GLI等)による植生のリモートセンシングの検証実験

(English Page)  

個葉の生理と分光学的性質の関係

 植生の衛星リモートセンシングにおいて、植物の1枚1枚の葉こそが観測やモデリングにおける最小構成単位であり、その光学的な性質を明らかにすることが重要である。ここでは、実験室レベルにおいて、試料植物に各種ストレスを与えたときの葉の分光学的性質の変化を調べた。1998年。

出版論文:


火砕流堆積地の侵食に関する水文地形学的研究

  典型的な火山災害様式である火砕流とその堆積物の侵食現象を解明するために、火山活動様式・降雨流出・侵食地形・植生回復に着目して地形解析・現地観測・シミュレーション等を行なった。粒径組成等、火砕流の堆積構造がその後の侵食過程に大きく関わっていることが判明し、火山の噴火様式に応じた地形変化・土砂流出様式が存在することが示唆された。主に雲仙普賢岳を対象として。インドネシアのメラピ山にも調査に出かけた。博士論文。1995〜1997年。その後、現在は合成開口レーダーを利用した衛星リモートセンシングのこの分野への応用を検討中。

出版論文:


地震による山腹崩壊

  地震による山腹崩壊が凸状地形で起きやすいという説を裏付けるために、崩壊地の地形を数値地形モデルによって立体的に調査し、崩壊しやすさを斜面の斜度と平均曲率の組み合わせで整理した。3次元動的有限要素法によるシミュレーションにより、この知見を裏付けた。数値地形モデルの利用に際しての問題点の指摘や、地理情報システム的なデータベースを使った解析。兵庫県南部地震における六甲山地の山腹崩壊を対象として。1995〜1996年。

出版論文:


半乾燥地の微気象・混合地表面問題

 1995〜1996年。


南米パタゴニア氷床の氷河変動 (右写真→)

 1993〜1994年。南米パタゴニア流出氷河の変動: パタゴニア氷床の3つの流出氷河で現地観測を行ない、1990〜1993年で、それらが概ね縮小傾向にあり、局所的には年間10m以上も薄くなりつつあることを示した。

出版論文:


極地氷床の氷結晶構造

 1992〜1994年。修士論文。極地氷床の氷試料は過去の気候の貴重な情報源であり、中でも氷結晶粒径は氷床の流動特性や温度を反映するが、従来は結晶粒形の複雑さに起因する誤差を取り除けなかった。本研究は氷粒子の立体的観察法を開発し、この誤差を補正する手法を提示した。

出版論文:


空間分割パターンの幾何学 

 1991〜1992年。卒業論文。自然の空間分割構造(卒業論文): 金属結晶・細胞組織等、空間を多面体状に分割する構造に共通に見られる、境界面に5角形が多いという有名な性質が、共通な物理則の反映というよりも、ランダムな分割構造に共通の統計的性質であることを示した。

出版論文: なし