当研究室に入りたい学生さんへ

2017/11/06 奈佐原(西田)顕郎

はじめに

当研究室は, 基本的に誰でも歓迎しますが, 他の研究室と同様に, それなりに独自のスタイルや雰囲気があり, 特に, 以下のような人は合わないかもしれません(合わない人は能力的にダメだというわけでは決してありません)。


納得しておいて欲しいこと

  1. きちんと連絡

    ここに書いたように, 情報共有は大事です。研究室のメーリングリストに入って, 可能なかぎり毎日, メールチェックしてください。自分に向けられた連絡には答えて下さい。

  2. 消息不明・連絡不能にならない

    研究室の一員になったら, 他のメンバーを心配させないようにしてください。

  3. 研究室のメンバーと仲良くし, 助け合う(特に留学生と)

    当研究室は, メンバー同士の交流の中で, 学問的にも人間的にも成長してもらいます。"Teach each other, help each other, learn from each other."というポリシーです。特に, 留学生とは, 言葉の壁を乗り越えて, 積極的に仲良くなってください。

  4. 研究室に来るのは自由

    研究室に来る時刻や, 研究室から帰る時刻の規程はありません。研究室に来ること・来ないことは, あなた自身が決め, その結果はあなた自身が責任を負うのです。これは自己管理(self-management)の訓練です。

  5. 研究室の行事(ゼミ, 合宿, 懇親会など)に参加すること。運営を手伝うこと

    研究室に来るのは自由ですが, 研究室の行事には(任意のもの以外は)参加してください(就活や授業などでどうしても来られない時は仕方ありませんが)。現在, 以下のような行事があります:

  6. 戸締り・鍵の管理はしっかりやること

    研究室への出入りは自由なので, 戸締りや鍵の管理は, 個人個人に任せます。研究室を空けるときは, たとえ短時間であっても, 施錠すること(1階の部屋は, 扉だけでなく, 窓も施錠すること)。各自に貸し出された鍵は紛失しないように。無断で合鍵を作ってはいけません。卒業など, 研究室を出るときは鍵を返却すること。カード式の鍵には磁石を近づけないこと。

  7. 研究室の物品を大切に使うこと

    研究室の物品は, 使ったらもとに戻す, 壊さないように丁寧に扱う, 消耗品を無駄に使わない, 私用には使わない, などを心がけて下さい。

  8. 研究室を掃除すること

    研究室には掃除当番はありません. 自主的に掃除して下さい。ゴミやホコリは機械の故障や事故・火災等の原因になります。

  9. 携帯での私用電話は研究室の外でやること

    わずかな時間なら多少は構いませんが、基本的には私用電話は研究室の外に出てやってください。研究室の電話は私用禁止です。

  10. 自分の役割を果たすこと

    ゼミ発表の担当や, 研究室内の役割分担などがあてられ, 引き受けたら, その責任を果たしてください。例えば, 自分が発表すべきゼミを, 「間に合わない」「結果が出ていない」等の理由でキャンセルするのはダメです。やむを得ない事情で責任を果たせない場合は, 事前にしかるべき人に連絡し, 説明して許可を得てください。

  11. 積極的な人だけを野外調査に連れて行きます。

    野外調査は, どんなに小さくてもリスクがつきものです。それを減らし, さらにまた, 調査の準備や現場での測定の精度を上げるには, 学生さんにも, 自発的なコミットメントが必要です。従って, 「先生に言われたからついていこう」という学生さんは, 連れて行きません。

  12. 卒論・修論は, 私のOKが出るまで完成ではありません。

    卒論・修論は, 長い科学的な文章をわかりやすく正確に書く訓練です。ひとりよがりに「仕上げた」と思ってはダメで, 教員のチェックを受け, 修正する, という作業を繰り返してください。そういうのをやらないでも, 発表会を乗り切って「卒業認定」を貰えるかもしれません(良くないことですが, 学生さんの将来を考えてそういう決断がなされることは多々あります)が, それは本当の「卒業」ではありません。

  13. 毎日欠かさず, 基礎的な「勉強」をして下さい。

    何か本を決めて, 毎日欠かさず読み続け, 最後まで読み通すこと。小説や新書, エッセイ, 一般解説書などではなく, 専門に関する, きちんとした教科書(学問に関する専門書や教科書)を。読む時間や分量は, 自分で決めてよいです。疲れたときや忙しいときは, 5分でも1行でもよいです。でも, 自分の日常にどんなに嬉しいことや悲しいことがあっても, 必ず毎日, 続けて下さい。医師からの禁止が出るような病気や怪我でなければ, どんなに体調不良でも毎日続けて下さい。これを続けると, 勉強が「習慣」になり, 必ず大きな成長をします。どんな仕事でも, プロフェッショナルな人たちは, 自分で選んだ仕事のために努力しているのです。あなたは(少なくとも学生の間は)学ぶことを選んだのですから, 学ぶことを怠けてはいけません。

  14. 毎日欠かさず, 英語の勉強もしてください。

    英語の勉強も, 継続的な積み重ねが重要です。あなたの同世代の中国や韓国の学生は, 上手に英語を操っています。「英語が使えない人間はホワイトカラーや研究者にはなれない」ということを強く意識して, 英語を勉強して下さい。研究室の留学生と積極的にコミュニケーションしてください。読む・書く・聞く・話すの全てについて, 経験する量を増やしてください。

  15. 自分の時間を安売りするようなアルバイトをしないこと。

    アルバイトは社会体験として重要ですが, 単純作業などのアルバイトは, ある程度経験したら, 卒業しましょう。国立大学に入ったあなたの社会的使命は, きちんと勉強し, 知的・専門的に社会を支える人になることであり, そのことのトレーニングに集中しましょう。それはあなたの幸せのためでもあります。

    たとえアルバイトをするにしても, きちんと基礎学力やスキルを持って入れば, 良い条件のアルバイトができます。どうせアルバイトをするのであれば, そこで自分の知識やスキルを生かし, それらをさらに高めることのできるようなアルバイトをやってください。コンピュータやネットワークの知識・経験は, その入口です。それらがあれば, つくばならいろんな研究所で雇ってくれるでしょう。研究所は面白いことの宝庫です。

  16. オープンソースソフトを使うこと

    当研究室では, 計算機のソフトウェアは, オープンソースソフトウェア(Linux, GRASS等)を使うことにしています。Windowsその他の, 非公開商用ソフトウェアは, 原則的に使いません。

  17. 規則正しい生活をすること

    毎日勉強することや, 自己を管理することの基本は, 規則正しい生活です。生活が乱れると, 勉強や研究の効率が落ちるし, 心身の健康も乱れがちになります。特に, 睡眠時間をきちんととって, 毎朝, 朝ご飯を摂ってください。

 あなたが上の「納得しておいて欲しいこと」を納得し, 許可を得て研究室に入ったならば, 教員はあなたを全力でサポートします。あなたはどんな困ったことでも, 私に相談して構いません。私の手に余る問題なら, もしかしたら手助けできないかもしれませんが, いつでもどんなことでも話は聞きます。学生の指導は教員の職務における優先事項ですので, あなたからの相談は最優先で受け付けます。

あなたには, いずれ, 研究や生活や人間関係や就活やその他の何かがうまくいかない時が来るでしょう。そのような挫折はどんな優等生でも必ずあることです。そのような挫折の中で自分に向きあい, 「自分との付き合い方」を学ぶことも, 大学での大切な勉強です。大事なのは, 焦らないこと, 必ず立ち直れると信じること, そして, 弱い自分を受け入れて, 人(教員や友人, 家族, 学生相談窓口など)に助けを求めることです。


研究室に入るまでにやっておくこと

  1. 数学リメディアル教材を習得しておくこと。
  2. 物理学I教材を習得しておくこと。
  3. 以下のページを読む:
  4. 必須ではないが, 望ましいこと: 学類授業: 基礎数学II, 物理学I, 物理学II, 数理科学演習, 物理学実験, 地球学実験, 実用解析I, 流域保全学, 水文学, 森林流域工学実習, 測量学, 測量学実習 を履修(または聴講)
  5. 必須ではないが, 望ましいこと: 生物資源の基礎数学を習得しておくこと。

研究室に入ったら3日以内にやること

  1. 連絡先(名前・メールアドレス・携帯番号・LINEなど)を教員に伝える。
  2. 研究室の基本的なルールについて説明を受ける。
  3. 研究室内の情報共有ページ"ryuiki_hiki"の存在と使い方を学ぶ。
  4. 研究室内のメーリングリストにメールアドレスを登録してもらう。そこに挨拶メールを出す。

研究室に入ってから1ヶ月以内にやること

  1. 部屋をぜんぶ訪ねて, メンバー全員に挨拶する。
  2. メンバー全員の名前と顔とテーマを覚える。
  3. 「毎日勉強する本」を決める。
  4. 部屋と机を決める。教員と相談。
  5. 部屋の鍵をもらう(借り出す)。卒業するときは返却のこと。鍵のコピーは勝手に作ってはいけない。
  6. 研究室のサーバー(メール・ウェブ・ファイル)"ryuiki"にアカウントをもらう。
  7. 研究関係のメーリングリスト(ecores)に入る。
  8. 研究の心構えを読む:

研究室に入ってから3ヶ月以内にやること

  1. コンピュータを作る。 ... こちらを参考に。
  2. 奈佐原顕郎「入門者のLinux」(ブルーバックス)を全部読む。
  3. できるだけ毎日, 研究室の人とお昼ごはんをたべに行く。
  4. 名刺を作る。研究を始めると, いろんな人(外部の研究機関の研究者や業者さん)とおつきあいするようになります。初対面の人には必ず名刺を渡しましょう。
  5. 生物資源の基礎数学をまだ勉強していなかったら, 勉強をはじめる。
  6. とらりもんの存在と使い方を知る。
  7. ここの「入門コンテンツ」を全部やる!
  8. 早朝論文ゼミに参加する。まず, 以下の論文を読むとよいでしょう。これらは当研究室の卒論生が出版した論文です。

研究室に入ってから6ヶ月以内にやること

  1. 研究室メンバー全員と仲良くなる。
  2. TOEFLかTOEICのテストを受ける(既に受けた人は免除) ... 院試や就活で必要です。
  3. 研究テーマを決める。... 決めた後にまた変わるかもしれませんが, まず最初のテーマを決めましょう。
  4. 研究テーマに関係の深い論文を1本, きっちり読む(朝ゼミ)。
  5. データ処理・可視化入門をぜんぶやる。
  6. 学類授業で, 基礎数学II, 物理学I, 物理学II, 数理科学演習, 物理学実験, 地球学実験, 実用解析I, 流域保全学, 水文学, 森林流域工学実習, 測量学, 測量学実習の中で履修しなかったものを履修または聴講する。
  7. 一般ユーザーのためのネットワーク入門

卒論を書き始めるまでに(または書きながら)やること

  1. 本多勝一「日本語の作文技術」を読む。
  2. 木下是雄「理科系の作文技術」中公新書を読む。

上記以外のオススメの教材

  • 杉原厚吉「理科系のための英文作法」中公新書
  • 金谷健一「これなら分かる応用数学教室」共立出版
  • 金谷健一「これなら分かる最適化数学」共立出版
  • 平岡和幸・堀玄「プログラミングのための線形代数」オーム社
  • ITホワイトボックス(IIも含む)のDVD
  • NHK高校講座 地学のDVD
  • NHK高校講座 地理のDVD
  • リモートセンシング基礎講座 (JAXA/EORC) ... ぜんぶ読むこと。

    卒論・修論


    研究室を出るとき

    1. 部屋の鍵を返却すること。
    2. 私物を完全に, 撤去もしくは処分すること。「立つ鳥後を濁さず」も、大学で学ぶべきことの一つです。
    3. 卒論・修論の完成稿とその電子媒体(下記)を担当教員に提出。
      • 1. 卒論または修論を印刷したもの
      • 2. CDまたはDVD
        • 卒論または修論: ソース(MS-Office doc, OOo, TeXなど)とPDFの両方
        • 発表会のスライド: ソース(MS-Office doc, OOo, TeXなど)とPDFの両方
        • 学会・ゼミなどでの配布資料・要旨・スライド・ポスター: ソース(MS-Office doc, OOo, TeXなど)とPDFの両方
        • プログラムのソースコード。
        • データ類:ただし再入手が容易で、なおかつ膨大なものは、データソースとリストのみ。
        • ファイル名には、できるだけ半角英数字を使用すること。
        • 学会発表、投稿論文などの記録:主著・共著ともに。著者名、題目、発表場所、年月日
        以上を1セット用意して、担当教員に提出してください(御世話になった方々にも謹呈しましょう)。 その目的は、1. オリジナル業績の安全管理。無論、みなさんも各自で同様のものを大切に 保管すべきですが、研究室にも保管することで、紛失の危険性を低くします。2. 後輩諸君 のための参考・指針として。3. いずれ学会誌などの投稿論文に編集しなおすこともあるかもしれません。 無論、みなさんの著作権は、最大限に尊重されます。
         いずれのドキュメントにも、次の情報を明記すること:
        • 教育組織(例:筑波大学生物資源学類)
        • 修了年度(2014年度)
        • 脱稿日(例:2015/02/10)
        • 氏名
        • 「修士論文」(または卒業論文)
        • タイトル
    4. 4月以降の連絡先, 特に電子メールアドレスを伝えること。大学のサーバーのメアド(sからはじまるやつ)は、使えなくなるので、かわりのメアドを教えてください。
    5. 大学が行っている卒業後の進路調査に答えておくこと。
    6. 学会に入っている場合は, 卒業後の連絡先等を学会に伝え, 会員区分(学生会員)を適切に変更通知すること, もしくは学会を退会すること。これができていないと、卒業生宛の学会誌が継続的に研究室に届いたり、学会費の請求が研究室に届いたりします。
    7. 研究室で支給された備品(パソコンやディスプレイなど)を返却すること。パソコンには、その来歴(誰がいつからいつまで使っていたか, 調子, 故障箇所等)を付箋に書いて、貼っておいてください。
    これらは, 人伝えにするのではなく, 自分でやってください。

    参考スケジュール(学類3年から入る人)

    学類3年10月 研究室訪問
    学類3年11月 研究室配属: 机と部屋の鍵をもらう。研究室の先輩の名前と顔とテーマを覚える。「毎日勉強する本」を決める。
    学類3年12月 「研究室に入ったら1ヶ月以内にやること」を片付ける。研究室メンバーと仲良くなる。コンピュータを作る。
    学類3年01月 卒論・修論をやってる先輩を手伝う(論文の間違い探しなど)。「入門者のLinux」を全部読む。名刺を作る。早朝論文ゼミに参加する。
    学類3年03月 ここの「入門コンテンツ」を全部やり終える。TOEFLかTOEICのテストを受ける。
    学類4年04月 研究テーマの候補を3つくらい自分で考える。学類授業で取りこぼしたのを受ける。公務員試験申し込み。
    学類4年05月 教員と相談して研究テーマを決める。研究テーマに関係の深い論文を1本, きっちり読む(朝ゼミ)。公務員試験受験。
    学類4年06月 研究テーマをゼミ発表する。研究開始。
    学類4年08月 研究室合宿。院試。
    学類4年09月 ゼミ発表(研究中間報告)。進捗が良ければ, リモセン学会か写真測量学会に発表申し込み。
    学類4年10月 卒研中間発表(学類)
    学類4年11月末 卒論の骨組みを教員と相談。
    学類4年12月末 卒論第一稿(ファースト・ドラフト)を指導教員に提出
    学類4年01月 修正・追加解析
    学類4年02月初日 卒論の第二稿を指導教員に提出。これ以降, 内容の変更は無し。表現について, 教員といっしょにチェックと修正。
    学類4年02月中旬 卒研発表。
    学類4年02月末 卒論最終稿を完成・提出
    以後の スケジュールは, 個人の力量とキャリアプランに応じて。
    

    参考スケジュール(修士1年から入る人)

    学類から入る人にくらべて, 約1年半の遅れがありますので, 特にがんばってください。上の学類3年10月〜学類4年9月のメニューを, 半年でこなすこと。