メーリングリストについて

1999/9/30 西田顕郎
(2003/6/11 改稿)

「メーリングリスト」とは?

 メーリングリストは、電子メールによる掲示板みたいなもので、そこにメールを投げかけると登録者全員に自動的にそのメールを送ってくれる。逆もしかりで、自分が登録していれば、他の人の発言が自動的にメールとしてやってくる。


なぜ「メーリングリスト」か?

 あなたが今、研究上で、「どこをどう調べたら良いのかわからない」という問題を抱えていたら、メーリングリストの出番だ。有効な情報は、研究にかかる時間と労力を大幅に節約してくれる。

 メーリングリストで有効なのは、「欲しい情報がどこにあるか」を聞くこと、すなわちインデックス機能であると思う。だいたい、人の頭の中にある情報はほとんどがインデックス的情報で、実質的に詳細で正確な情報は、本やデータベース、ホームページなどの媒体に保存してあるものだ。見知らぬ人からのメールでの質問に応えるために、本棚から参考書を取り出して調べてくれる人はあまりいないだろう。従って、メーリングリストで有効な質問は、例えばこんなかんじになる:

  • ******という問題意識を持ってるけど、どこのどういう方がご専門でしょうか?
  • ***という測器を使っているが、どうも***になると調子が悪い。こういう経験はありますか?
  • ***という作業をさせる良いソフトウェアは知りませんか?
  • こんどアメリカからDr. ***が日本へ来るらしいけど、彼はどこでどういう話をするのですか?

  • とはいえ、質問はメーリングリストの用途のごく一部だ。他にも科学分野のメーリングリストでは、以下のような話題が上る:

  • 研究集会のお知らせ
  • 求人・就職情報
  • 最新のトピックス(画期的な論文や発見、イベントなど)

  • メーリングリストを使うには?

     メーリングリストを使うには、そのメーリングリストに登録しなければならない。具体的な手続きは、メーリングリストのホームページに出ているか、もしくは管理者にメールで訊ねればわかる。

     概して入会も退会も簡単で、入会手続きは数通のメールのやりとりで終わる。とはいえ、最近は広告メールやいたずらメールの氾濫を防ぐために、メーリングリストの認証手続きは厳密になっている。といっても、身分証明書を出せ、とかいう類の厳しさではなくて、要するに不特定多数からのメールをシャットするために、発信者とそのメールアドレスの対応をしっかり確認するのである。そのため、複数のメールアドレスを使い分けていたりすると、登録したメールアドレスしか認証されないので、どのアドレスで登録するか、注意する必要がある。

    技術系メーリングリストで質問するときのパターン・ランゲージ(結城浩氏)

    注意!!!

    1. メーリングリストでまわってきたメールに直接返信すると、差出人個人ではなくて、メーリングリスト全体への返信になる。これに気づかずに、私信をメーリングリストに流してしまう人が非常に多い。つまりこういうことである: 私があるメーリングリストに話題を投稿したとする。そのメーリングリストには私の知人が多く参加している。その中の一人が、たまたま私に連絡ごとや相談事や「やあ、近頃どうしてる?」みたいな軽い挨拶をしたいと思っていたとする。彼は私のメールアドレスをアドレス帳から探し出すのを億劫がって、メーリングリストで流れてきた私からのメッセージに返信機能を使ってメールを書くのである。するとそのメッセージは私に向けてではなく、そのメーリングリスト全体に配送される。従って当然私にも彼のメッセージは届くのだけど、それ以外の全メンバーにもそのメッセージが届いてしまうのである。
     こういうミスと言うかトラブルは、実に後を絶たない。軽い挨拶が流れ出るくらいなら「お騒がせしてすみません」で済むけれど、もっと大事な話とか個人情報がこういうミスで流出してしまうと深刻なトラブルになりえる。特に、メーリングリストの発言をウェブで記録・公開しているケースでは、流出範囲がメーリングリストのメンバーに留まらなくなってしまう。

    2. メーリングリストに出すメッセージには、大きなファイルを添付しないこと。そもそも一般論として、メールでいきなり大きなファイルを添付で他人に送るときには、受け取り手の接続環境をよく考えなければならない。例えばいつも研究室などで高速ネットを使っている人も、その日に限ってたまたま出張で海外のホテルから電話回線でメールを読もうとしているかもしれない。そういう場合は、1MBくらいの添付ファイルでも大きな迷惑になることがある。そう考えると、不特定多数の人が受け取るメーリングリストに大きな添付ファイルを出すことがいかに乱暴であるか想像がつく。

    3. 積極的に発言してメーリングリストの運営に貢献すること.メーリングリストの管理者は,誰かに「面白そうなメーリングリストなので入れて欲しい」と言われて断ることはまれである.それが知人だったらなおさらである.そうやって,活発なメーリングリストはどんどん人を引き付けて拡大するのだが,新たに入ってくる人は,なんとなく部外者のような気分で,自ら発言することをせず,もっぱら聞き役にまわりがちである.つまりROM(read only member)になってしまう.このROMが増えてくると,多勢の人の前で小数のメンバーが,まるで舞台の漫才師のように対話を続ける構造になる.漫才ならまだ観客の顔が見えるが,メーリングリストでは聞き手の顔すら見えない.こういう状況で,たとえば自分の発展途上の研究成果やアイデアを素直に表明するのは,よほどの自己顕示欲の持主か無神経でなければできない.そうしてメーリングリストには生きの良い情報が流れなくなり,やがて新刊書の広告やイベントのお知らせくらいしか流れなくなる.「お知らせ」に特化したようなメーリングリストならそれでも良いが,研究や同好のコミュニティ内で互いに生の情報交換をしている場でこういうことが起きるのは,悲しいことである.それを防ぐためにも,メーリングリストでは,その性格・趣旨に応じて,各自が発言し,議論や情報交換を盛り上げねばならない.それをしないで,「聞いているだけだから邪魔にならないだろう」と考えるのは「甘え」である.情報はギブアンドテークであることを忘れずに.

    国内のメーリングリストの例・・・末尾は管理者

    STUDY-RS: リモートセンシング。日本国内。長崎大学工学部・森山先生。
    日本写真測量学会メーリングリスト
    Hydro Mailing List: 水文学。日本国内。東京大学生産技術研究所・沖先生。
    森林水文メーリングリスト: 森林水文学。日本国内。京大・谷先生、森林総研・坪山先生
    Young Agro Meteorologist ML: 日本農業気象学会の若手のメーリングリスト。
    砂防学会メーリングリスト: 砂防学。日本国内。
    jisuberiメイリングリスト: 地滑り。日本地滑り学会。
    EEDS メーリングリスト: 環境毒性学。九州大学農学部大嶋先生。
    ecotopics: 生態学および周辺分野の文献情報に関するメーリングリスト。森林総研・安田先生。
    tephra: 火山灰編年学メーリングリスト。群馬大学・早川先生
    なゐふるメーリングリスト: 地震研究者と一般との意見の交換の場。日本地震学会広報委員会
    雪氷メーリングリスト: 雪氷学会公認の雪氷学に関する情報・意見交換を目的としたもの
    GPS-USERメーリング リスト : GPS関係。防衛大学・浪江先生

    外国のメーリングリストの例・・・末尾は管理者

    RSE: リモートセンシング。メリーランド大学・S. Liang博士
    Geomorph-Letters: 地形学。モンタナ州立大学・W. Locke博士。
    ISOGEOCHEM: 同位体地球化学。
    AGMODELS-L: Agricultural Simulation Models。農業・環境関係のシミュレーションモデル。

    メーリングリストの紹介・検索サイト

    月間ML紹介
    Infoseekメーリングリスト検索
    FreeML